- 2020年4月23日
- 芝川ハイテクLEDと苺
シベリアのお隣カザフスタンのパヴロダル市読者から、先月の記事に関する質問を含むメッセージが届きました。彼の質問は、水耕栽培システムと芝川のインターライティング技術を使用してトマトを育てるプロセスについてです。詳しい内容は、来月の日記に詳しく書きます。
今月の日記の記事は、芝川のハイテクLEDランプを使用した、イチゴに関する研究活動についてです。一般的に、従来の農業は、年間を通じて消費者の需要を満たすために、季節や天候、虫害等に左右されない事と同時に、収穫期のみに一時的な労働力を得ることが求められます。
消費者の需要の増加、気候変動、殺虫剤の多用、農業政策、土地面積の限定は、イチゴの安定供給にも悪影響を及ぼします。従って、これからのイチゴの栽培にとって、新しい農業用水耕システムへの適応は決定的に必要になります。芝川のハイテクLEDは、継続的な研究、開発、革新を通じてこの採用を促進しています。私たちはすでに一年を通じて野菜と果物の生産を可能にすることができました。
水耕システム産業の利点には、スペース効率の改善、節水、防虫が容易であることや、自動化による労働力の削減が挙げられます。これにより、世界地図の農業に適した土地の分布において、広大な面積が追加されることになります。この点に関して、芝川のハイテクLEDランプは、温室環境で花、トマト、果物や野菜の成長をサポートするインターライティングとしても設置できます。さらに、これらのランプは太陽の光を100%置き換えることができ、屋内の水耕栽培プラントでの育成を効率的に加速することもできます。この四月の記事で、まずパヴロダル市から興味を持って質問を下さった読者の方、そして昨年の9月からこの記事を注意深く読んでフォローしてくださっている皆さんに本当に感謝します。
これ以降はイチゴの研究の結果を紹介します。イチゴは、世界で最も価値のある果物の1つです。現代にいたるまで、イチゴにおける品種改良は、色が濃く、保存期間が長く、より大きなものとする方向性でした。しかし、これらの特性は、イチゴの他の特性である香りや味の強さを犠牲にして達成されたのです。野生のイチゴは、栽培された品種と比較して、実は小さく、収量も少ないのです。しかし、それらには特徴のある様々な香り成分が含まれています。イチゴに関する私の研究は、芝川LEDのさまざまなレベルの赤外線が、植物の成長速度、開花頻度、果実のサイズ、味、色、および香りにどのように影響するかに焦点を当てました。研究対象として、章姫、セリーヌ、アンジェルエイト、アイベリー、ワイルドベリーなど、さまざまな種類のイチゴを育成しました。これらの各タイプの 葉、花と、果物については色、形成、サイズ、香り、柔らかさ、味など、多くの特徴を述べ、画像化し、説明いたします。実際、葉と花の違いに関して、この品種の中では、ワイルドベリーだけ他の種類と区別できることに気づきました。次の4つの画像はそのことを示しています。
ワイルドベリーの葉と花
ワイルドベリーだけが4つの花びらと4つの特徴的ながく片を持つ花となっていることが確認できます。
アイベリーの葉と花
ご覧のように、セリーヌの花はアイベリーの花にとても似ています。
章姫ストロベリーから始め、内部と外部の特徴を持つ各ストロベリータイプの果物を見てみましょう。外部的には、色、サイズ、形、匂いを一目で確認します。内部的には味と柔らかさをテストします。
章姫苺 (アキヒメイチゴ)
私の感覚だけかもしれませんが、古代日本語の章は美を意味し、姫と合わせると美の王女を意味するという風なイメージできます。このいちごは1985年に「久能早生」に「女峰」を交配し、生まれたものから選抜を繰り返し育成された品種で、1992年に品種登録され、広く普及しました。外部的には、ほとんどは通常のイチゴのサイズで、つやがある赤さと円錐形をしています。しかし、香りはまったく検出されませんでした。内部的な味わいや柔らかさは、完全に赤みを帯びた果肉が目で楽しめ、歯間で潰して行く時に酸味がなく、水みずしく、強い甘みの味わいの印象が残ります。
蜜蜂の魔法の感触タッチを利用できなくても、美の王女の章姫苺はさまざまな形をとることができます。
つやのある赤さと円錐形が章姫の特徴。
セリーヌ苺
画像からも分かるように、セリーヌの外見は大きめで落ち着いた赤い色です。実際、その味は市場で手に入る普通のイチゴに似ています。水みずしさと柔らかさを感じながら、酸味も味わえます。しかし、章姫と同様に、香りはありませんでした。
大きいサイズ、通常の味、および多くの収量がセリーヌの主な特徴です
エンジェルエイト苺
外部的には、つやある白い色の皮と小さな赤い種子の斑点の組み合わせにより、このイチゴは非常に美しくなっています。イチゴの香りが際立つ大きなサイズで、さらに魅力を感じます。内部では、桃の味、または洋梨とキウイの混合ジュースの味がする白い固体果肉がエンジェルエイトの特徴です。
エンジェルエイトのロマンティックな姿
ワイルドストロベリー
一方で、控えめな赤色と高い酸性度は、その顕著な特徴の一部として識別できます。他方では、その小さいサイズにもかかわらず、他のイチゴのタイプの中で並外れた強い香りがすると言えます。鼻に近づけると簡単に匂いが区別できます。実際には、このイチゴの香りは非常に強いため、熟した野生のイチゴが数本、部屋全体に香りが行き渡り、リビアの地中海のフルーツの香りを彷彿させます。
小さいサイズにもかかわらず、強い香りと酸味が野生のイチゴの主な特徴です。
アイベリー
非常にセリーヌに似ていますが、サイズが小さいです。 特筆すべき特徴はありませんでした。
ストロベリーのデライト
上記の最初の4つのタイプについて、内部の果肉色と喜びの感覚がどのように感じるかを示します。
画像右:エンジェルエイト、上:章姫、左:セリーヌ、下:ワイルドストロベリー
結言
簡単に言えば、甘い果実としてイチゴを楽しみたいなら、章姫をお選び下さい。ケーキ、ジャム、パンなどでイチゴを楽しみたい場合は、セリーヌを酸味に、ワイルドベリーを香りに御利用ください。また、イチゴのロマンティックな美しさに興味をお持ちの方は、夫・妻と一緒に、あるいは特別ゲストに、あるいは優雅なプレゼントとしてエンジェルエイトのいちごをお楽しみください。
今後のゴールデンウィーク記事について
この記事の最後に、読者の皆さんに質問です: イチゴは果物ですか、野菜ですか?
日本のゴールデンウィークの次の記事では、ゴールデントマトがメニューに登場します。また、私の研究課題や、読者の皆さんの質問に対する回答も含まれます。